Glossary Converter - Excelで作成した対訳データを翻訳メモリに変換

島田 智紀 島田 智紀 シニアソリューションコンサルタント 2025年5月12日 読了目安時間:2分 読了目安時間:2分
Glossary Converter - Excelで作成した対訳データを翻訳メモリに変換

Glossary Converter - Excelで作成した対訳データを翻訳メモリに変換

RWS AppStoreというウェブサイトをご利用いただいたことはあるでしょうか。こちらではTrados Studioと連動するアプリや、Trados Studioの機能を拡張するプラグインが豊富に用意されています。アイテムの多くが無償で提供されていることも大きな特徴です。
 
今回はGlossary Converterというサードパーティ製アプリについてご紹介したいと思います。
 
Glossary Converterを使用して、Excelの用語集(.xlsおよび.xlsx形式)をTrados StudioやMultiTerm Desktopで使用可能な用語ベース(.sdltb形式)に簡単に変換する方法については「Glossary Converter - ExcelからMultiTerm用語ベースへの変換」でご紹介していますが、Glossary ConverterはExcelで作成した対訳データを翻訳メモリ(業界標準形式の.TMX形式やTrados Studioネイティブの.SDLTM形式)に変換したい場合にも使用できます。
 
「手元にExcel形式の対訳データはあるのだが、どのようにTrados Studioで活用すればいいだろうか」といった場面でぜひご活用ください。
 
  
1. Glossary Converterのダウンロードとインストール
 
1. Glossary ConverterはRWS AppStore(https://appstore.rws.com/)より入手できます。検索ボックスに「Glossary Converter」と入力すると関連するアプリやプラグインが表示されるので、[Glossary Converter] をクリックします。
 
 
2. 製品ページが表示されたら、[Download] をクリックします。
 
 
3. バージョン選択の画面に移ります。お使いのTrados Studioのバージョンに対応する最新バージョンのアプリを選択し、[I agree to be bound by RWS AppStore] をチェックして [Continue] をクリックします。
 
 
4. 「Glossary Converter.zip」というファイルがダウンロードされ、その中の「SetupGlossaryConverter.exe」を実行するとインストールが開始されます。
 
5. インストールが完了するとメッセージが表示されます。Glossary Converterをすぐに起動する場合は Launch を、いったんインストーラーを終了し後で起動したい場合は Close をクリックしてください。
 
6. デスクトップ上にGlossary Converterのアイコンが作成されています。こちらをダブルクリックするとGlossary Converterが起動します。
 
 
2. Excel形式の対訳データを翻訳メモリ(TMXまたはSDLXIFF)に変換する
 
対訳データの入ったExcelファイルをTrados Studioに「バイリンガルExcel」ファイルとして取り込んで翻訳メモリにインポートする方法については下記のブログ記事でもご紹介していますが、Glossary Converterを利用することでも同様のことを行うことができます。
 
 
その場合、Glossary Converterの出力時のファイル形式を変更する必要があります。
 
1. Glossary Converterのメインウィンドウで [out] をクリックします。
 
 
2. 既存の翻訳メモリに新たに対訳データを追加したい場合は、業界標準の翻訳メモリファイル形式である.TMXファイルに変換します。その場合は、[Default Output] で [Translation Memory eXchange] を選択し、[OK] をクリックします。
Excel形式の対訳データから新規に翻訳メモリを作成したい場合は、Trados Studioネイティブの翻訳メモリファイル形式である.SDLTMファイルに変換します。その場合は、[Default Output] で  [SDL Translation Memory] を選択し、[OK] をクリックします。
 
 
3. メインウィンドウの [out] の部分に、「tmx」または「sdltm」と表示されたことを確認します。これで設定変更は完了です。
 
 
4. 以下のような対訳形式のExcelを用意します。1行目の見出しには必ず「Japanese」や「English」のような言語名、または「ja-jp」や「en-us」のような言語コードを入力してください(言語コードの一覧については、こちらにある表の「ISO 639-1 Code」列などをご参照ください)。
 
 
5. 対象のExcelファイルをGlossary Converterのメインウィンドウにドラッグアンドドロップします。
 
6. Excelファイルと同じフォルダ内にTMXまたはSDLTMファイルが生成されます。TMXファイルを既存のTrados Studio用翻訳メモリ(SDLTM)などにインポートすると、Excelの対訳データを既存の翻訳メモリに追加できます。
 
なお、Glossary ConverterはRWSの開発によるアプリではないため、RWSから直接サポートをご提供することができません。RWS CommunityのRWS AppStore Applicationsフォーラムをご利用ください(日本語でご投稿いただけます)。
 
RWS Communityに質問を投稿する方法については、下記のブログ記事をご覧ください。
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Trados
島田 智紀
制作者

島田 智紀

シニアソリューションコンサルタント
RWSでTrados製品のコンサルティングをしております。
Trados認定トレーナー。
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