Trados Studioの便利なプラグイン ~翻訳メモリにすばやく分節を追加できる「TuToTm」とバイリンガルファイルを比較して訳文等の変更箇所(差分)を抽出できる「SDLXLIFF Compare」のご紹介~

島田 智紀 島田 智紀 シニアソリューションコンサルタント 2024年12月11日 読了目安時間:4分 読了目安時間:4分

Trados Studioの便利なプラグイン ~翻訳メモリにすばやく分節を追加できる「TuToTm」とバイリンガルファイルを比較して訳文等の変更箇所(差分)を抽出できる「SDLXLIFF Compare」のご紹介~

RWS AppStoreではTrados Studio用の便利なプラグインを数多く配布しており、その大半は無償で利用可能です。

今回はその中から2つのプラグインをご紹介します。1つ目は翻訳メモリにすばやく分節を追加できる「TuToTm」プラグインで、もう1つはバイリンガルファイルを比較して訳文等の変更箇所(差分)を抽出できる「SDLXLIFF Compare」プラグインです。


1. TuToTmで翻訳メモリにすばやく分節を登録


既存のバイリンガルファイルに含まれていない原文とその訳文を翻訳メモリに追加したい場合、通常は新しい原文ファイルを作成してTrados Studioに読み込み、バイリンガルファイルに変換した後エディタで訳文を入力して翻訳メモリに登録するか、既存のバイリンガルファイルの原文を編集して訳文を入力し翻訳メモリに登録するなどの処理が必要になりますが、TuToTmプラグインを使用すれば、直接原文分節と訳文分節のペア(翻訳単位)を翻訳メモリに直接すばやく登録できます。以下にTuToTmプラグインの使用方法をご紹介します。

  1. RWS AppStoreからお使いのバージョンのTrados Studioに対応するTuToTmプラグインのインストーラー(.sdlplugin)をダウンロードし、ダブルクリックしてTrados Studioにインストールします。

  2. Trados Studioを起動し、上部リボンの [アドイン] タブを選択すると、[TU to TM] ボタンが追加されているので、これをクリックします。


  3. [TU to TM] ウィンドウが開いたら [Add TM] ボタンをクリックして分節の追加先とする翻訳メモリ(.sdltm)を参照して選択します。


  4. 一覧に表示されている翻訳メモリの中から、分節の追加先としたい翻訳メモリを選択し(左側のチェックボックスをオンにし)、[Source] フィールドに追加したい原文テキスト、[Target] フィールドに追加したい訳文テキストをそれぞれ入力して、[Update TM] をクリックします。(複数の翻訳メモリへ同時に分節を追加することもできます)

  5. 入力した原文テキストと訳文テキストのペア(翻訳単位)が選択した翻訳メモリに追加されます。
 

2. SDLXLIFF Compareでバイリンガルファイルを比較して変更箇所(差分)を抽出


SDLXLIFF Compareは、翻訳後のレビュー中に訳文のどの部分がどのように変更されたかを確認したいといった場合に便利なプラグインです。以下にSDLXLIFF Compareプラグインの使用方法をご紹介します。

  1. RWS AppStoreからお使いのバージョンのTrados Studioに対応するSDLXLIFF Compareプラグインのインストーラー(.sdlplugin)をダウンロードし、ダブルクリックしてTrados Studioにインストールします。

  2. 既定では、Trados Studioを起動して [プロジェクト] ビューに移動すると、画面下部に [SdlxliffCompare] タブが追加されているので、これをクリックします。


    ※ [プロジェクト] ビューの画面下部に [SdlxliffCompare] タブが表示されていない場合は、上部リボンの [表示] タブにある [SdlxliffCompare] ボタンをクリックするとタブが表示されます。


  3. 変更前のバイリンガルファイル(または変更前の複数のバイリンガルファイル(.sdlxliff)が入ったフォルダ)と変更後のバイリンガルファイル(または変更後の複数のバイリンガルファイルが入ったフォルダ)を用意します。

  4. 1個のバイリンガルファイルどうしを比較する場合は [Compare single file] タブを選択し、フォルダに入った複数のバイリンガルファイルどうしを比較する場合は [Compare directory of files] タブを選択します。


  5. [Original file] フィールド(またはフォルダどうしを比較する場合は [Original directory] フィールド)に、変更のバイリンガルファイル(または変更の複数のバイリンガルファイルが入ったフォルダ)のパスを入力するか、右にある [...] ボタンをクリックしファイル(またはフォルダ)の場所を参照して選択します。

  6. [Updated file] フィールド(またはフォルダどうしを比較する場合は)[Updated directory] フィールド)に、変更のバイリンガルファイル(または変更の複数のバイリンガルファイルが入ったフォルダ)のパスを入力するか、右にある [...] ボタンをクリックしファイル(またはフォルダ)の場所を参照して選択します。

  7. [Report (output)] セクションの [Report directory] フィールドの値は自動的に更新のバイリンガルファイルが保存されているフォルダに設定され、[Report file name] フィールドの値は自動的に「SdlXliff Compare Report <今日の日付>]に設定されますが、必要に応じて出力されるレポートの保存先とファイル名を適宜変更します。(レポートのファイル形式として既定の.htmlではなく.xmlを選択することもできます。)


  8. [SdlxliffCompare] ウィンドウの左上にある  ボタンをクリックすると、バイリンガルファイルの比較が開始されます。比較が完了するとウェブブラウザにレポートが表示され、変更箇所が赤、青、黄色などでハイライトされます。


    ※ 比較レポート(.html)をExcelで開いて加工、編集することもできます。(ただし、Excelで開いた場合は黄色のマーカーが表示されません。)
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Trados
島田 智紀
制作者

島田 智紀

シニアソリューションコンサルタント
RWSでTrados製品のコンサルティングをしております。
Trados認定トレーナー。
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