顧客によるTrados Studioの使用方法

Camille Avila 2020年12月17日 読了目安時間:5分
顧客によるTrados Studioの使用方法
Trados Studioは180か国以上で使用されており、当社のユーザーは大規模な翻訳者コミュニティに属しています。この状況を具体的な数字で表すと、毎月60億ワード以上がTrados Studioの翻訳メモリを介して処理されています。 
 
日常的にTrados Studioを使用している数千人のユーザーの1人として、同業者がどのようにTrados Studioを使用しているかお考えになったことはありますか? 
 
これについては、当社の顧客体験改善プログラムを通じて知ることができます。当社は、業界における機械翻訳の導入、新しいイノベーションや既存機能の使用方法をはじめとする業界トレンドを監視するために、当社のユーザーがTrados Studioをどのように使用しているかを調査しています。このデータと、フォーカスグループ、アンケート、RWSコミュニティで提示されるユーザーのアイデアは、すべて次のTrados Studioのリリースの開発に役立っています。
 
ここで重要なのは、個人情報が一切収集されない点です。収集したデータは完全に匿名化され、個人情報、コンテンツ、翻訳メモリ、用語ベース情報は一切含まれません。 
 
このブログでは、当社のユーザーコミュニティで使用されている機能について説明します。中には、存在に気付いていない機能もあるかもしれません。ここでは11月に調査したデータの一部をご紹介します。
 
 
Trados Studioで使用されるファイル形式
 
Trados Studioでは、50以上のファイル形式をサポートしており、あらゆるプロジェクトに対応できます。新しいファイル形式も頻繁にリリースしており、最近ではAdobe FrameMakerおよびPhotoshopのファイルフィルター、MSG形式のEメール、XML2ファイルフィルターなどを導入しました。 
 
処理方法の選択肢を豊富に用意することで、ファイルの翻訳を可能な限り簡単にしました。その中には、埋め込みコンテンツ、メモ、コメント、非表示コンテンツの処理を行うかどうかの選択肢も含まれます。Trados Studioで翻訳されたファイルの31%が、Microsoft Wordファイルであることは当然と言えます。しかし、顧客からは「PDFはTrados Studioで翻訳できますか」と頻繁に質問されます。はい、翻訳できます。実際、Trados Studioで翻訳されているファイルの11%はPDFです。  Trados Studioは、スキャンしたPDFと編集可能なPDFの両方を、簡単に翻訳できるように設計されています。 
 
PDFをTrados Studioで翻訳する方法については、こちらをご確認ください。
 
 
ユーザーがTrados Studioで作成するプロジェクトのタイプ
 
大半のユーザー(正確には45%のユーザー)は「プロジェクトウィザード」を使用して翻訳プロジェクトを開始し、29%は「単一ドキュメント」プロセスを使用しています。さらにTrados Studio 2021では、Trados Studioのクラウド機能を使用してオンラインで翻訳プロジェクトを作成する新しい方法が導入されました。これにより、クラウドベースのプロジェクトを作成し、オンラインエディタまたはTrados Studioのデスクトップエディタを使用してシームレスに翻訳するという柔軟な方法も選択可能になりました。Trados Studio 2021ユーザーの2%は、すでにそのクラウド機能を使用してプロジェクトを作成しており、この方法がトレンドになりつつあると考えています。 
 
この動画では、Tradosのクラウド機能を使い始める方法を説明しています。
 
 
翻訳メモリ(TM)を最大限に活用
 
翻訳メモリのフラグメント一致を使用することで、常にTMから最大の結果を取得できます。  Trados Studioユーザーは、11月だけで2.5億ワードのフラグメント一致と、1.2億ワードの訳語検索を使用しました。 
 
このテクノロジーはTMのあいまい一致も修正し、1か月で約2,000万ワードが修正されています。特に画期的なのが、Trados Studio 2021ではこの機能がさらに改善され、翻訳セグメントにタグが自動挿入される点です。この機能により、作業時間は大幅に短縮され、原文文書の書式は翻訳済み文書に正しく適用されるようになりました。
 
このビデオでは、タグを自動的に挿入する方法について説明しています。
 
 
Trados Studioでアプリを直接ダウンロード
 
新しいAppStore連携により、150種類以上のアプリをTrados Studio内からダウンロードできるようになりました。11月にはAppStore連携を使用して2,340のアプリがダウンロードされており、Trados Studio 2021のユーザーがこの機能を最大限に活用していることがわかります。この方法は増加傾向にあり、今では25%のアプリが連携を介してダウンロードされています。残りの75%は、ブラウザからオンラインでダウンロードされています。ダウンロードされた上位アプリには、字幕翻訳(現時点でTrados Studioで翻訳されるファイル形式の上位20に含まれます)、数字検証の微調整、SDLXLIFFファイルの分割と結合を容易に実行できる機能が含まれています。 
 
 
機械翻訳(MT)のホーム
 
Trados Studioユーザーは、Language Weaverの最新のMTを、年間600万字まで無料で使用できます。Language Weaverでは3,000を超えるMT言語ペアが用意されており、使用する言語ペアにかかわらずメリットを得られる可能性が高まっています。Trados Studioでは、1か月に1億ワードを超えるLanguage WeaverのTMが使用されており、これはMT全体の52%を占めます。最も使用されているMT言語ペアは、英語からポルトガル語(ブラジル)で、英語に翻訳される言語のトップは日本語です。
 
Trados Studioは、50を超えるNMTプロバイダのホームでもあります。Trados Studioで使用されているMTの23%がDeepL、10%がGoogle Cloud、10%がModern MTです。
 
これらは当社が追跡できるデータポイントのほんの一部で、他にも多く存在します。この情報がお役に立てば幸いです。
Camille Avila
制作者

Camille Avila

Product Marketing Manager
Camille Avilaは、翻訳業界で8年間の経験を持つRWSのSenior Product Marketing Managerです。現在、Trados製品スイートを統括しています。法人市場向けのローカリゼーションに取り組むCamilleの主な役割は、コンテンツを確実に理解されるようにして顧客との効果的なコミュニケーションを支援することです。
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