
対訳形式のExcelを翻訳メモリに変換
みなさま、こんにちは。RWSグループ、SDLジャパンの土田です。こちらのブログでTrados Studioをはじめとする弊社製品についての実用的な情報をお届けしています。
当社ではロードショーやワークショップ、あるいはユーザー相談会を定期的に開催し、スタッフがユーザー様の声を直接伺う機会を設けさせていただいています。その中でも、「対訳形式のExcelファイルから翻訳メモリを作成する方法」についてのお問い合わせを多くいただきましたので、今回はその方法についてご紹介します。
*今回の記事で対象となるTrados Studioのバージョンは、2015以降となります。
対訳形式のExcelファイルを準備する
まず、以下のような形で対訳形式に整えられたExcelファイルを準備します。
1行目にある言語名の見出しは必須ではありません。セル内に改行がある場合、改行はあらかじめ削除してください。
Trados Studioでファイル形式の設定を変更する
Trados Studio 2015以降のTradosには「バイリンガルExcel」というファイルタイプが用意されています。
これは対訳形式で作成されたExcelファイルから、原文の列および訳文の列を、バイリンガルファイルの原文フィールドおよび訳文フィールドにそれぞれ抽出するというものです。今回の作業には、このファイルタイプを使用します。
[ファイル]>[オプション]>[ファイルの種類]より、Microsoft Excel関連のファイルタイプをすべて無効化し、「バイリンガルExcel」の項目のみチェックを残します。
次に[ファイルの種類]>[バイリンガルExcel]>[全般設定]より、読みこむ対訳Excelファイルについての設定を行います。
[列]のセクションで、Excel上で原文列および訳文列となっている列を指定します。一番上の行を言語名の見出しとしている場合、[除外]のセクションで[最初の行は見出しにする]をチェックします。
Trados Studioで対訳Excelファイルを読み込む
準備していた対訳形式のExcelファイルを、Trados Studioに翻訳対象ファイルとして読み込みます。「新しいプロジェクトの作成」でも「1つの文書として翻訳」でもどちらでも問題ありません。
Excelファイルの内容は、この時に指定する翻訳メモリにインポートされます。新規に翻訳メモリを作成するか、既存の翻訳メモリを指定するかは、状況に応じて選択します。
ファイルの読み込みが完了すると、原文列と訳文列がそれぞれエディタ画面の原文フィールドおよび訳文フィールドに入力された形で表示されます。
ここでいったん、バイリンガルファイル(SDLXLIFFファイル)を保存します。
SDLXLIFFの内容を翻訳メモリに書き込む
[エディタ]ビューの[ファイル操作]>[一括タスク]より、[メインの翻訳メモリの更新]を選択します。
一括処理の設定画面で、更新対象となる分節のステータスを変更します。[翻訳中]および[未翻訳]にもチェックを入れ、[完了]をクリックします。これで対訳Excelファイルの内容が、翻訳メモリに書き込まれます。
翻訳メモリの内容を確認後、先ほど変更した[ファイルの種類]のチェック項目を元に戻します。
また、この作業で作成したプロジェクトも今後は不要となりますので、[プロジェクト]ビューより該当プロジェクトを右クリックし、[リストから削除]を選択します。