Tradosの新機能 - 2023年第1四半期の概要

Camille Avila 2023年4月25日 読了目安時間:5分
Tradosのクラウドベースの環境は、業界をリードする当社のデスクトップ翻訳支援ソフトウェアとシームレスに統合され、比類のない柔軟性を備えた翻訳管理を実現します。ユーザーは、拡張性に優れたクラウドプラットフォームで、新しい革新的な機能を継続的に利用できます。2023年第1四半期に、当社はクラウドの更新を100以上リリースし、ユーザーは多数の新機能を利用できるようになりました。
 
Tradosの継続的な開発について常に最新情報をお届けしたいと考え、四半期ごとに主な更新の概要をご紹介しています。この更新情報は、リリースと同時にお客様宛てに自動配信されます。機能強化について詳しくは、RWSコミュニティでご確認ください。
 
新しい翻訳管理機能により、自動化とインテリジェンスが向上
 
ワークフローの自動化が容易にローカリゼーションのワークフローの改善はTradosの要です。2021年に導入されたワークフローエディタでは、ワークフローのカスタマイズと自動化が容易なため、時間を大幅に節約できます。また、ワークフロー機能への継続的な取り組みの一環として、柔軟性と効率性をさらに高める動的割り当てを導入しました。
 
動的割り当てでは、割り当てられたグループ内のユーザーは、サービスタイプや言語ペアなどで指定された設定に基づいて識別されます。つまり、必要な条件に一致するユーザーのみにタスクが割り当てられるため、ワークフロープロセスを効率化し、手作業で割り当てる手間を省くことができます。
 
カスタムレポート作成の改善点:Tradosでは、標準搭載のレポートを使用して、品質、全体的なコスト、コスト削減額、納期といった主要な翻訳パフォーマンス指標を評価できます。カスタムレポートを作成するオプションもあり、プロジェクト範囲、翻訳メモリの活用、編集による差異などのデータに基づいて、よりパーソナライズされたインサイトにアクセスできます。こうした情報がすべて1つのプラットフォームに統合されたTradosでは、データに基づく戦略立案や情報に基づいた意思決定が可能であり、翻訳ワークフローの強化、プロジェクトの効率化、予算の最適化につなげることができます。
 
ユーザーからのフィードバックに応え、カスタムレポートの作成機能を継続的に強化しています。最新の改善点としては、カスタムフィールドが使いやすくなったこと、収集するデータを拡張し、より包括的なインサイトが得られるようになったことが挙げられます。さらに、Power BIやSisenseなどのビジネスインテリジェンスツールとの統合を可能にして、データへのアクセスと分析の柔軟性を高めました。
翻訳コラボレーションの強化により、プロジェクト作成の効率化と円滑な進行を実現
 
カスタマーポータルの機能強化:当社のカスタマーポータルは翻訳プロジェクト管理プロセスを効率化するように設計されており、依頼者がプロジェクトを作成、追跡、取得するためのシンプルで効率的なプラットフォームになっています。この体験をさらに向上させるため、カスタマーポータルをいくつかの点で更新しました。
 
最新の更新点として新しいサイドペインがあります。ここから、プロジェクトの説明などプロジェクトの詳細に簡単にアクセスできるため、可視性が向上し、プロジェクトをより効果的に管理できます。データエクスポート機能も強化し、カスタムの日付範囲の入力の改善により、必要な特定のデータの抽出が簡単になりました。
 
プロジェクト管理のユーザー体験の向上:Tradosは、役割別のインターフェイスを採用し、すべてのユーザーに向けて最適化されています。プロジェクトマネージャーはTMS(翻訳管理システム)に多くの時間を費やします。そのため、その作業を容易にする多くの新機能をリリースしました。一例として、新しいプロジェクトグループ機能では、複数のプロジェクトを1つのグループに追加し、それらのプロジェクトすべてに対して一括アクションを実行できます。これはたとえば、複数のプロジェクトがより規模の大きい同一のプログラムに属している場合、または統合によって小規模プロジェクトが多数作成され、個々に管理するのが面倒で非効率的な場合などに役立ちます。
 
 
新しい翻訳生産性機能により、翻訳プロセスのスピードアップと一貫性の向上を実現 
 
オンラインエディタの改善:当社はオンラインエディタのユーザー体験向上にも継続的に取り組んでいます。その中で最も重要な改善点の1つが、ドキュメント構造情報(DSI)サイドペインです。この機能では、翻訳中に追加のコンテキストにアクセスできます。これは、DITA、カスタムXML、バイリンガルExcelなどの複雑なファイル形式で作業する場合に特に便利です。
 
DSIサイドペインに加えて、マウスを使用せずにコメントを簡単に追加または編集できる新しいスマートアクションを導入しました。また、ステータスバーの機能の強化により、選択した文字の数が表示されるようになり、可視性と精度が向上しました。最後に、Ctrl+DelとCtrl+Backspaceショートカットの機能を改善し、Microsoft Wordとの連携を強化しました。
 
新しい「OpenAI Translator」アプリ:Trados Studio 2022用の「OpenAI Translator」プラグインは、OpenAIの言語モデルを活用して翻訳プロジェクトを支援するように設計されています。ユーザー定義のプロンプトに基づいた別の翻訳の提示、原文/訳文コンテンツに関する追加情報の提供、自動または手動による翻訳の実行などの主要な機能により、翻訳プロセスを大幅に改善できます。
 
このプラグインは、GPT-4、GPT-3.5-turbo、text-davinci-003モデルをサポートし、モデルごとに機能やパフォーマンスレベルが異なります。このプラグインが提供する5つの既定プロンプトに加え、AIをガイドするカスタムプロンプトも作成できます。
 
「OpenAI Translator」プラグインは、RWS AppStoreまたはTrados Studio 2022内から直接アクセスしてインストールできます。
今回の四半期ごとの概要はお楽しみいただけましたでしょうか。次回は7月のお届けになります。ぜひ楽しみにお待ちください!
 
Tradosをまだ使用されていない場合は、ぜひ当社のソリューションの詳細についてお問い合わせください。
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Camille Avila

Product Marketing Manager
Camille Avilaは、翻訳業界で8年間の経験を持つRWSのSenior Product Marketing Managerです。現在、Trados製品スイートを統括しています。法人市場向けのローカリゼーションに取り組むCamilleの主な役割は、コンテンツを確実に理解されるようにして顧客との効果的なコミュニケーションを支援することです。
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