混乱をすっきり解消:ローカリゼーションプロジェクト管理のソリューション

Alina Bojescu 2023年6月16日 読了目安時間:7分
ローカリゼーションは、グローバルビジネスの拡大に不可欠です。しかし、適切なテクノロジーがなければ、製品や、サービス、コンテンツをさまざまな市場や言語に適応させるプロセスが非効率的でコストのかかるものになってしまいます。この現場をまとめるのがローカリゼーションプロジェクトマネージャーです。役職にかかわらず、プロセス全体を監督し、コラボレーションを促進させ、プロジェクトを確実に進め、関係者間のつながりを保つ役割を果たします。 
 
ローカリゼーションの管理における最大の課題の1つは、組織全体のさまざまな関係者のために複数のプロジェクトを同時に進めながら、異なるチームやタイムゾーンの翻訳者と連携することです。このプロセスは非常に複雑になり、しかもかなりの速さで進むことがあります。多くのことが同時進行する中、専用の翻訳管理システム(TMS)を使用せずにローカリゼーションプロジェクトを管理していると、あっという間に混乱状態に陥ってしまいます。  
 
TMSを使用しないプロジェクト管理とは
 
複雑なプロセス
 
ローカリゼーションプロジェクトの管理は、ただでさえ複雑なプロセスです。次の図は、かなり非効率的なワークフローの一例です。プロセス内にどれほど多くのステップがあるのかわかると思います。すべてのステップが手動であり、人手が必要です。たとえば、ファイルの保存と解凍が行われる回数に注目してみてください(赤いボックスで強調表示)。
ローカリゼーションプロジェクトマネージャーの経験談
 
ローカリゼーションプロジェクトマネージャーとのインタビューで、TMSを使用せずにローカリゼーションプロジェクトを管理したときの体験談を教えてもらいました。
 
1.翻訳資産の配布
 
これは大きな課題でした。当然ながら、この作業をEメールだけでこなすのは非効率的です。この作業を担当したことがある方なら、Eメールを何度もやり取りする必要があること、そしてそのやり取りを追跡し、Eメールで配付したファイルを管理するのは非常に困難であることを理解しているはずです。その上、Eメールには、機密情報を誤って別の宛先に送信してしまうなど、人的ミスの軽減に必要な強力なセキュリティ対策もありません。

2.翻訳者との非効率的なコミュニケーション
 
TMSを使用しないと、新しい割り当てに適した対応可能な翻訳者を特定するために、電話をかけたり、Eメールを送信したりする必要があり、貴重な時間が無駄になることもあります。Principal Project ManagerのSarah Oriは、ジョブが発生するたびに個人翻訳者に連絡を取る作業を担当していました。対応する言語の種類が増えるほど、うんざりする作業になっていました。 

3. プロジェクトの追跡とレポート作成
 
そのうえ、多くのプロジェクトマネージャーは、スプレッドシートを使用して翻訳プロジェクトを手動で追跡し、レポートを作成しなければなりません。つまり、最新の進捗状況を追跡し、翻訳者、レビュアー、顧客にEメールで情報を提供するという時間のかかるプロセスも避けられませんでした。翻訳管理テクノロジーを採用していない場合、進捗状況の追跡やレポート作成にはスプレッドシートを使用するしかありません。そのすべてに、非常に多くの時間を要するのです。 
 
業界のプレッシャー

今日のデジタル時代において、企業は製品やサービスの販売と宣伝を目的としたオンラインプラットフォームの採用を一層進め、かつてないほど幅広いオーディエンスにリーチしています。その一方で、デジタルコンテンツの制作が容易かつ迅速になり、ローカライズが必要なコンテンツの量が大幅に増加しています。この点は、『翻訳テクノロジーに関するインサイト(2023年版)』レポートで明らかになっています。以下から、多くの企業、LSP、翻訳者が最も増加していると感じている分野がわかります。


このように業界のプレッシャーが高まる中、この需要に現実的に対応できる唯一の方法と言えるのが、最新の翻訳管理システムを適切に導入することです。

Tradosテクノロジーのメリット

では次に、ローカリゼーションプロジェクトの管理に変革をもたらした革新的なソリューション、Tradosについてご説明しましょう。業界をリードするTMSとして、Tradosはローカリゼーションプロセスを効率化するための特徴や機能を包括的に備えています。

1.一貫性を持って翻訳資産を簡単に共有可能

連携する相手が社内でも社外でも、プロジェクトマネージャーにとって需要なのは一貫性です。Tradosは、オンライン用語ベースや翻訳メモリ(TM)など、翻訳者がアクセスでき、リアルタイムで更新できる機能を備えており、翻訳の正確性と一貫性を大幅に向上させることができます。

2.生産性の向上と時間の大幅な節約

Tradosは、ローカリゼーションプロジェクトの管理にかかる時間を大幅に短縮します。たとえば、翻訳者への連絡と作業の割り当てを手動で行うと、言語やプロジェクトごとにEメールをいくつもやり取りしなければならないことがよくありますが、Tradosではこのプロセスが効率化されます。管理対象が5チームでも50チームでも、簡単なクリック操作で自動的に割り当てできます。つまり、新たな作業に適した翻訳者を特定して割り当てるという時間を節約できるのです。

また、クラウド環境により、オンラインでの編集やレビューが容易になり、レビュアーや専門知識を持つエキスパートがプロジェクトにコメントを追加できるようになるため、翻訳支援ソフトウェアからコンテンツを抽出して手動で担当者に送信する必要もなくなります。

3.主要な指標の追跡とレポート

プロジェクトマネージャーが指標とKPIを追跡し続けることは、先を見据えた計画立案やお客様への報告を適切に行うために不可欠です。Tradosでは、ボトルネックなど、作業の傾向を特定でき、計画立案やお客様とのコミュニケーションの質が向上します。さらに、TMSによってレポート作成が自動化されているため、お客様や関係部門は人的ミスの発生を心配する必要がありません。

すでに挙がっているプロジェクトマネージャーの課題を解決するだけでなく、Tradosでは以下のことも実現されます。

生産性の向上

Tradosには、生産性を考慮して構築されたさまざまな機能が用意されています。用語ベースから、監督対象のさまざまなプロジェクトまで、必要なものすべてが1つのプラットフォームにまとめられています。翻訳者やレビュアーの環境も同様になるため、バージョンの異なるファイルをいくつも保存する必要も、最新情報を関係者に通知する必要もありません。

安心を確保

Tradosを使用すると、プロジェクトが行き詰まっていないことが簡単にわかるので安心できます。チームの誰かが不在になっても、ファイルの追跡/アクセスは常にオンラインで行えます。また、Tradosは一元管理された安全な環境なので、翻訳資産にアクセスできるユーザーやその使用期間も管理できます。

Tradosがローカリゼーションプロジェクトの管理をどのように簡素化するのかについて、簡単に説明しました。ご自身で確認されたい方は、Roman Jhukov(Language Technology Consultant)がTradosのさまざまな機能をご紹介する無料のウェビナー(録画版)をご覧ください。このデモでは、ローカリゼーションの専門家がTradosをどのように使用してローカリゼーションプロジェクト管理を効率化しているのかについて、有益なインサイトを提供します。

Tradosやその効果についてご質問がある場合は、こちらからお問い合わせください。

Alina Bojescu
制作者

Alina Bojescu

Marketing Manager
RWSのMarketing Managerとして、企業を対象としたTrados宣伝業務に従事しています。出版メディアの学士号を取得しており、7年以上マーケティングに携わっています。
この執筆者の全記事: Alina Bojescu