PassoloでExcelファイルを翻訳する方法

島田 智紀 2024年3月26日 読了目安時間:8分
PassoloでExcelファイルを翻訳する方法

PassoloでExcelファイルを翻訳する方法

弊社RWSがご提供する翻訳支援ツール(CATツール)の1つであるPassoloはソフトウェアファイル(.exeファイルや.dllファイル)の翻訳・ローカライズで定評のあるCATツールであり、ユーザーインターフェイス(UI)の文字列を種類ごとにグループ化したり、UIの翻訳結果がソフトウェア上で実際にどのように表示されるかを確認しながら作業したり、UI要素や文字列が重なってしまっている箇所をチェックしたりすることができる強力なツールですが、今回の投稿では、このPassoloを使ってExcelファイルを翻訳する方法をご紹介します。

注:

1. PassoloでExcelファイルを含むプロジェクトを作成するには、Database Add-in(Excelファイル用パーサー)のライセンスを別途ご購入いただく必要があります(ただし、Database Add-inライセンスはExcelファイルを含むプロジェクトを作成するPassolo環境でのみ必要となり、作成元の環境からエクスポートされたライセンス付きバンドルを使って他のPassolo環境(Translator Editonを含む)で翻訳を行う場合、Database Add-inライセンスは不要となります)。

2. 以降の手順説明は、下図のExcelファイルをPassoloに取り込んで翻訳・ローカライズをすることを前提としています。


手順

  1. Passolo Team/Collaboration Editionの起動後に表示される[Strat Page]で[Home]タブをクリックして[New]を選択するか、[File]タブで[New] > [Project]を選択します。


  2. [Project Setup]ダイアログが表示されたら、[Name]フィールドに任意のプロジェクト名を入力し、[Location]フィールドにプロジェクトファイルの保存先パスを入力して、[Add Source]をクリックします。


  3. [Add Source Files to Project]ダイアログが表示されたら、プロジェクトに追加するExcelファイルを参照し、[File type]フィールドで[Excel files (*.xls, *.xlsx)]を選択して、[OK]をクリックします。


  4. [Properties – Source List]ダイアログが表示されたら、[Parser]に「Add-in Excel Parser」と表示されていることを確認し、[Language of text]で原文言語を選択して、[Options]をクリックします。


  5. [Excel Sheet Options]ダイアログで、プロジェクトに追加するExcelファイルの内容に応じて以下の各項目を設定します(*が付いた項目の指定は必須です)。


    ・[Sheet Name]* – Passoloプロジェクトに読み込むExcelファイル内のシートの名前
    ・[Start translation at row]* – 指定したシート内で翻訳を開始する行の番号
    ・[ID column] – 指定したシート内にあるID列の列名
    ・[Grouping column] – 指定したシート内にあるグループ列の列名
    ・[Source text column]* – 指定したシート内にある原文列の列名
    ・[Comment column] - 指定したシート内にあるコメント列の列名
    ・[Maximum length column] - 指定したシート内にある長さ制限の情報列の列名
    ・[Maximum line column] - 指定したシート内にある行数制限の情報列の列名
    ・[Maximum width column] - 指定したシート内にある幅制限の情報列の列名
    ・[Maximum height column] - 指定したシート内にある高さ制限の情報列の列名
    ・[Font alias column] - 指定したシート内にあるフォントの情報列の列名

  6. [Properties – Source List]ダイアログに戻ったら[OK]をクリックします。

  7. [Project Setup]ダイアログに戻ったら、[Target Language]タブをクリックし、[Add Language]または[Add Multiple Languages]をクリックします。


  8. [Language]ダイアログ(または[Add Multiple Languages]ダイアログ)が表示されたら、訳文言語を選択して[OK]をクリックします。


  9. [Project Setup]ダイアログに戻ったら、[OK]をクリックします。

  10. プロジェクト画面が開いたら、左ペインの[String lists] > [Sources]の下で翻訳するExcelファイルを選択し、右ペインで訳文言語の行(この例では[Japanese (Japan)]を右クリックして、[String List Settings]を選択します。


  11. [Properties]ダイアログが表示されたら[Advanced]をクリックし、[Excel Translation Column]ダイアログが表示されたら、指定したシート内にある訳文列(この例では日本語の列)の列名を[Translation Column]フィールドに入力します。


  12. [OK]を2回クリックしてダイアログを閉じます。訳文言語を複数指定した場合は、訳文言語ごとに上記の手順10~11を繰り返します。


以上でプロジェクトの作成は完了です。後は、通常のPassoloプロジェクトと同様に翻訳・レビューを行い、訳文ファイルを生成すれば、PassoloでのExcelファイルの翻訳は完了です。

Passoloの導入や運用に関してご不明な点は、下記までお気軽にお問い合わせください。


■お問い合わせ■
製品に関するご質問はこちらまで、お気軽にお問い合わせください。
sales-jp@rws.com

島田 智紀
制作者

島田 智紀

シニアソリューションコンサルタント
RWSでTrados製品のコンサルティングをしております。
Trados認定トレーナー。
この執筆者の全記事: 島田 智紀