新たな市場への参入

Alina Bojescu 2022年12月6日 読了目安時間:4分
新たな市場への参入

優れた製品やソリューションがあれば、自然に売れるものと考えがちです。しかし、Forbesによると、顧客が自分の文化や価値観に共鳴する体験を常に求めていることから、今やブランディングと顧客体験がかつてないほど重要になっているそうです。

このような体験の提供は、ビジネスのグローバル化を目指している場合、特に重要です。まったく新しいオーディエンスに対する際は、選択するエンゲージメント方法によって、全体的な成功が大きく左右されます。また、コンテンツを英語にしておくことが適切な戦略と信じるのも間違っているとは言えません。英語は実際、2022年には14億人以上が使用している*、世界で最も広く話されている言語です。しかし、残りの数十億人はどうなのでしょうか?

RWSのLanguage eXperience Delivery(LXD)プラットフォームの統計によると、現在、最も人気のある訳文言語(コンテンツの翻訳後の言語)はフランス語です。次いでドイツ語、日本語、中国語、イタリア語と続きますが、現在、世界中で話されている言語は7,000以上もあります。

言語は、人とのコミュニケーションの方法を定義します。その相手は、家族や友人、コミュニティ、そしてもちろんビジネス関係者も含まれます。

現地市場に焦点を合わせた、現地言語のコンテンツが多いほど、エンゲージメントが向上する可能性が高くなり、ゆくゆくは売上の増加につながります。ですがその前に、すべきことがいくつかあります。

言語を活用してメリットを得るには、どうしたらよいのでしょうか?

1.ターゲット市場の調査
ビジネスの拡大を目標とするなら、まず、ターゲット市場を調査し、言語、文化、慣習、買い物行動について可能なかぎり把握する必要があります。このとき、つい表面だけを見がちですが、深く掘り下げて調査したほうが長期的に見て活動しやすくなります。まずは現地の専門家に相談し、フォーカスグループを運営しましょう。また、政治的および規制上の状況全般も忘れずに確認してください。

2.マーケティング・販促資料の評価
このステップで重要なのが、優先順位付けです。すべてを完全に翻訳する必要はありません。ウェブサイトやアプリ、製品カタログ、FAQ、ユーザーマニュアルなど、最も重要な資産のリストを作成してください。これで次のステップに進みやすくなります。

3.ローカリゼーションモデルの決定
これは重大な決定事項です。翻訳会社や個人翻訳者にアウトソーシングしますか?それとも、社内でコンテンツをローカライズするため、翻訳部門を立ち上げますか?もちろん、この2つを組み合わせることもできます。この決定は企業によってまったく異なるため、正解、不正解はありません。

4.プロセスの標準化、言語データの一元化
選択した翻訳方法に関係なく、すべてのリソースを整理し、一元管理することは、プロセスをスムーズに進め、すべてのコンテンツをブランドガイドラインに沿ったものにするために不可欠です。これを最も簡単に進める方法は、翻訳テクノロジーを活用することです。

5.継続的なローカリゼーションの実践
ステップ2で、市場投入するコンテンツの優先順位付けが重要であると述べました。ここで、アジャイル型手法の出番です。これまでは、コンテンツを翻訳し、公開してから参入するのが一般的でしたが、実際には、コンテンツも製品とともに常に進化しています。この点を念頭に置き、複雑なローカリゼーションプロセスを簡単に処理できる翻訳テクノロジープラットフォームを活用する必要があります。


これまでに翻訳テクノロジーについて何度か言及していることにお気づきかもしれません。その理由は、各ステップにおいて、ローカライズするコンテンツの量、ローカライズの頻度や方法に関係なく、時間、手間、問題、ストレス、コストを大幅に削減できるからです。

ここまで、企業のためのローカリゼーション戦略の構築方法について概要をご紹介させていただきました。無料のeBook『新たな市場への参入』では、各ステップについてさらに詳しく解説しています。ご質問がありましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。

* Statista(2022年)

Alina Bojescu
制作者

Alina Bojescu

Marketing Campaign Manager
Alina Bojescu is Marketing Campaign Manager at RWS. She has a bachelor’s degree in Publishing Media, and over six years of marketing experience. At RWS, she works in the Trados team.
この執筆者の全記事: Alina Bojescu