4 exciting new features trados 2019

SDL Trados Studio 2019の新機能

みなさま、こんにちは。SDLジャパンの土田です。こちらのブログでSDL Trados Studioをはじめとする弊社製品についての実用的な情報をお届けしています。

まもなく、SDL Trados Studio 2019がリリースされます。この新バージョンではどのような機能が追加されているのでしょうか。今回の記事では、こちらについてお話したいと思います。

このたびのバージョンアップにおける最大のテーマは、「ユーザー エクスペリエンスの向上」です。言い換えると、「Tradosをより使いやすく、親しみやすく」となるでしょうか。

多彩な機能が充実しているSDL Trados Studioですが、新バージョンであるSDL Trados Studio 2019ではさらに、「直感的に操作可能な、より洗練された使用感のソフトウェア」を目指します。

具体的にどのような進化を遂げたのでしょうか。スクリーンショットとともにご紹介します。

※以下の機能はベータバージョンからのご紹介のため、正式リリース時に仕様の変更がある場合があります。また開発途中の画面のため、ユーザーインターフェースにまだ日本語化がなされていない箇所があります。どうぞご了承ください。

 

Tradosビギナーの強力な味方 ― Walk Me

SDL Trados Studio 2019の新機能のうち、まずは Walk Me についてご紹介します。Trados Studio 2019に初めて触れるユーザーに対して、親切なツアーガイドが搭載されたようなイメージの機能です。

最初にTrados Studioを起動すると、新機能に関するインフォメーションが表示されます。これまでのバージョンに親しんだユーザーにとっても、Studio 2019にバージョンアップしたメリットを余すところなく知ってもらうためのツアーです。

また各エリアを最初に開いたタイミングで、その画面に関連するヒントや解説動画が従来の[通知]ウィンドウに表示されます。Trados Studioに初めて触れるユーザーであっても、各操作に応じたガイダンスが自動的に表示されます。

Trados Studioに初めて触れるユーザーがソフトウェアを独習するにあたり、とても大きな手助けとなる機能です。また、独習が容易になるということは同時に、チーム内の新規ユーザーを教育するプロセスを軽減できるということも意味します。

つまり、新規ユーザーだけではなく、既存ユーザーにとってもメリットをもたらす機能であると言えます。

 

各機能への迅速なアクセス ― Tell Me

ユーザー エクスペリエンスをキーワードとしたもうひとつの新機能、それが Tell Me  です。Trados Studioの多様な機能を利用する際に、「どこを操作すればよいのか」あるいは「設定項目はどこにあるのか」とソフトウェアのコンソールから探す手間を軽減することを目的としています。

実行したい処理、あるいは設定したい項目のキーワードをテキストボックスに入力することで、関連する機能や設定画面がリストアップされ、簡単に呼び出すことができます。

たとえば、Trados Studioにはさまざまな形でファイルを外部と共有し、連携した作業を行うための機能がすでに備わっています。具体的には、「プロジェクトファイルをGroupShareへ公開する」「プロジェクトファイルをパッケージとして書き出す」「バイリンガルレビュー用にファイルを書き出す」などです。

下の例では、「share files」と入力することで、これらの機能が自動的にリストアップされます。あとは、ここから目的の各機能を個別に呼び出すだけです。

「こんな機能があったと思うけど、どこを操作すればよかっただろう?」「この設定項目を以前に見たことがあるけど、どこにあるか忘れてしまった…」といった場合に、それを思い出したり調べたりする手間と時間は、翻訳作業の流れの中で非常にもったいないものです。

部分的なキーワードをソフトウェアに伝えるだけで関連した候補を提示してくれるため、無駄な中断を極力省き、翻訳作業に集中することができます。

 

新しいプロジェクト作成ウィザード

プロジェクト作成の画面も大幅に整理されました。これまでのウィザードでプロジェクト作成しようとすると、これまでは最短でも4つの画面を通過しなくてはなりませんでした。

  • プロジェクトテンプレートの選択
  • プロジェクトの名前と保存場所の入力
  • 原文言語と訳文言語の選択
  • 翻訳対象ファイルの選択

Trados Studio 2019の新しいプロジェクト作成ウィザードでは、この煩雑さが大幅に見直されました。プロジェクト作成の完了に必要な設定項目は、最初の1画面にすべて集約されています。

その上で、翻訳メモリや用語ベースの選択、あるいはGroupShareや完全一致を利用する場合の設定などを追加することが可能です。それぞれの設定画面は、ウィンドウの上部にストリームラインとして表示され、それぞれの設定画面がプロセスのどこに位置しているか、一目瞭然となっています。

このストリームラインは「Metro Map」という愛称で呼ばれています。プロジェクト作成時だけでなく、翻訳メモリの作成ウィザードにも取り入れられています。

このように最初から全体の流れが提示されているだけで、ウィザードの各ステップがとてもすっきりとした印象になります。

 

プロジェクトファイルの追加や変更にも柔軟に対処

翻訳プロジェクトの進行中に「翻訳対象ファイルが差し替えになった」あるいは「翻訳対象ファイルが追加になった」という事態はいつでも起こりえます。

Trados Studio 2019の[ファイル]ビューでは、翻訳対象ファイルをアップデートして、原文の差分をバイリンガルファイルに反映させることが可能です。

またプロジェクトへの翻訳対処ファイルの追加も非常に簡単になりました。追加するファイルを指定すると同時に必要な一括タスクが自動的に開始され、ワンアクションで翻訳作業の準備が整います。

 

検証機能の設定が訳文言語ごとに可能に

QA Checker 3.0などの検証機能を、各訳文言語に応じて設定することが可能になりました。この変更には、「Trados Studioでプロジェクトを作成すること」の意味を非常に高める効果があります。

Trados Studioでのプロジェクトには本来、「ひとつの原文ファイルに対して複数の訳文言語での翻訳作業を定義し、進捗を管理できる」というメリットがあります。

しかしながら検証機能が各訳文言語ごとに設定できないため、やむをえず訳文言語ごとに複数のプロジェクトを作成しなくてはならない場合がありました。

この変更によって、プロジェクトを作成する本来のメリットが十分に発揮されることが期待できます。

 

翻訳メモリの内容がより見やすく

[翻訳メモリ]ビューでの、翻訳単位の一覧がさらに見やすくなりました。

1ページ当たりに表示する翻訳単位数がドロップダウンリストから簡単に表示可能となり、また全体でのページ数と表示されているページ数がウィンドウ上部のリボンに表示されるようになりました。

 

Visioファイルに対応

Trados Studio 2019の対応するファイルタイプに、新たにVisioファイルが加わりました。以前より非常に要望の高かったファイルタイプでしたが、ユーザーの皆様からのご要望にこたえ、今回の実装となりました。

 

以上、SDL Trados Studio 2019の新機能についてご紹介しました。今後もロードショーやウェビナーなどで、デモを交えながらご説明させていただければと思います。どうぞご期待ください。