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upLIFTをわかりやすくご紹介!

皆さんこんにちは! SDLジャパンの西海です。
 
皆さんは「upLIFT」という翻訳メモリの機能を聞いたことはありますか?
聞いたことはあるけど実際に使ったことはない、または普段から何気なく使用しているという方も多いかもしれません。
 
今回はupLIFTについてわかりやすく紹介をしますので、Trados Studioの2017/2019/2021をお持ちの方はぜひご利用ください。今までよりも多くの候補を翻訳メモリから検索することができます!

upLIFTとは

upLIFTを使うと、今までよりも多くの候補を翻訳メモリから検索することができます。
upLIFTはTrados Studio 2017(日本語は2017 SR1)から追加された翻訳メモリの新しい技術です。
今まで翻訳メモリは分節単位での検索しか行うことができませんでしたが、upLIFTからは分節全体だけでなく、分節の前半/句/単語のような分節の一部も認識できるようになりました。

イメージとしては以下の例がわかりやすいかと思います。

upLIFT.10

※本ブログ内で使われる「フラグメント」という言葉は「文をさらに分解した句/単語」のことを意味しています

新しい機能

これにより以下2つの機能が使えるようになりました。

①フラグメントマッチ

フラグメントマッチは分節の一部を検索する機能です。
以下の例では、1分節目は分節単位の候補はありませんが「wireless network」という句に対し部分的なマッチ「ワイヤレスネットワーク」が表示されています。

upLIFT.12

ここで何が起きているかというと、「wireless network」を含む別の分節が翻訳メモリに既に登録されているのでそこから候補を部分的にもってきているんです。
フラグメント一致を使用しないと、候補は何もありませんので「wireless network」を含む1分節全体を手で翻訳する必要があります。「wireless network」は訳したことがあるので部分的にでも再利用できれば嬉しいですよね。

尚、翻訳メモリの結果ウィンドウは下のタブで表示が切り替わるデザインになっています。

1番左のタブには分節単位の候補(通常の翻訳メモリの結果)が表示され、その右のタブにはフラグメント一致の候補が表示されます。
分節単位の候補があれば優先して翻訳結果タブに訳文候補が自動で表示され、分節単位の候補はないが部分的にマッチがある場合はフラグメント一致タブに自動で切り替わり部分的な訳文候補が表示される仕組みになっています。

upLIFT.2

また1分節全体が短い登録が翻訳メモリにある場合は、

upLIFT.11

この分節全体がフラグメントとして機能もします。


②あいまい一致の修正


2つ目はあいまい一致の修正です。
翻訳メモリから90%マッチなどの類似が見つかった場合、従来は手動で10%の差分を修正する必要がありました。
upLIFTのあいまい一致の修正を使うと、差分をTradosが自動で修正してくれるので手動で修正する手間を軽減できます。

以下は、5番目の分節に91%のあいまい一致が見つかった例です。ここで差分は「error」と「system」ですので、本来は訳文候補を適用し「システム→エラー」に手動で修正する必要があります。

あいまい一致の修正を適用すると、「システム→エラー」に修正済みの状態で訳文候補が表示されますので、この候補を挿入するだけでこの分節の翻訳を完了できます。

upLIFT.13

あいまい一致の自動修正が適用された分節には、マッチ率(91%)の隣に工具のレンチマークがつくので簡単に判別ができます。自動修正を使用せずに翻訳をすることも可能です。

どうしてTradosが自動で修正を行えるかというと、以下3つのリソースから修正データをもってこれるからなんです。

  • 翻訳メモリのフラグメント
  • 用語ベース
  • 機械翻訳(接続している場合)

上記の例では用語ベースに[error:エラー]というペアが登録されていたか、[error:エラー]を含む分節が翻訳メモリに登録されていたため、「エラー」という訳語を自動で挿入できたんですね。この原理わかりますか?
とても便利な機能ですので頑張って理解してくださいね。

upLIFTはこんな場合に便利

上記の機能が理解できたところで、具体的にどのような場面で役立つかを見ていきましょう。

  • 1文が長くマッチ率が低い場合

翻訳中に分節内の一部は「あ、前にもここは訳したことがある」と思っても、全体ではマッチしないことってありますよね?例えば特許明細書や契約書など1文が長い文書はマッチ候補が少なくなりがちです。30%までマッチを表示するよう一致率の設定を下げている方もいるのではないでしょうか。

フラグメント一致は句/単語のみでなく文の前半など、ある程度の長さがあっても部分的に検索をしてくれますので1分節が長い場合にマッチを拾いやすくなります。

以下の例では、1分節目は長いため全体のマッチはありませんが、赤枠のところだけは部分的にマッチがあり翻訳メモリからの流用があることを示しています。1文が長い場合でも「,」や「:」で複数の文が組み合わせっている場合が多く、そこが部分的にヒットしやすくなります。

upLIFT.8

  • 訳語検索をよく使用する方

Tradosには文の一部を任意で選択し翻訳メモリの中身を手動で検索する機能があります。
例えば以下は、手動で「photo printer」を選択し訳語検索をしている例です。翻訳メモリの中から「photo printer」を含む分節を表示しています。

upLIFT.1


フラグメント一致はこの操作を自動で行い候補を表示してくれるイメージです。便利でしょ?
よく訳語検索を使用する方は必見です!
また手動で行う訳語検索は訳文側の該当部分はハイライトされませんが、フラグメント一致は訳文の該当部分もハイライトをして表示できます。

  • 用語ベースを使用していない場合

フラグメント一致を使用することで、製品名や固有名詞などの用語がフラグメントとして表示され翻訳メモリ内の用語を一貫して使用していくことができます。
以下の例は、用語ベースを使用していないという想定で2分節目にフラグメント一致が見つかったケースです。翻訳メモリに登録されている分節では「Management access」が「管理アクセス」に訳されていますね。ここでもしフラグメント一致を使用しないと、誤って「マネジメントアクセス」と訳をいれても気づくことができず、表現がバラつく可能性がありますよね。

upLIFT.3

このようにフラグメントを活用することで翻訳メモリ内での用語を統一することもできます。
(用語ベースを使用していれば、登録用語を優先して使うのが通常です)

  • 用語や表現が変更された場合

例えば「製品A」という名前の製品が「製品B」に変更されたとします。
今後翻訳をする際、翻訳メモリからは「製品A」が含まれる分節がヒットしてきますが、毎回「製品A」を「製品B」へは手動で修正するのは面倒ですよね。このような作業は、塵も積もって大きな時間のロスになってしまいます。
あいまい一致の自動修正を使用すれば、「製品A」が「製品B」に自動で修正された状態で候補が表示されますので、修正時間を削減することができます。




設定手順

upLIFTを使用するには設定が必要です。これは翻訳メモリ内の分節を部分的に認識できるよう構文解析という処理を行う必要があるためです。

【事前準備】
①「プロジェクトの設定」>「言語ペア」>「すべての言語ペア」>「翻訳メモリと自動翻訳」より、フラグメント一致を使用したい翻訳メモリを選択し「設定」を押します。
※2015以前で作成した翻訳メモリは事前に別途アップグレード操作を行う必要がございます(こちらにアップグレード手順の記載がございます)

upLIFT.4

②「フラグメント整合」の「翻訳モデルの構築」をクリックします。

upLIFT.5

③次に、「翻訳単位の結合」をクリックしてください。

upLIFT.6

処理が完了したらOKを押して終了します。

※フラグメント一致を使用するには、翻訳メモリ内に最低5,000の翻訳ユニットがないと使えません。数が少ない場合には、②・③の操作はグレーアウトします。

※古いTradosのバージョンからTMアップグレード処理をしている場合は、②と③が既に完了している場合があります。この場合は必要ありません、と表示されます


【フラグメント一致の設定】

「プロジェクトの設定」>「言語ペア」>「すべての言語ペア」>「翻訳メモリと自動翻訳」>「検索」の「TUのフラグメント」にチェックを入れ、その下の最小単語数を設定して下さい。
まずは、2語からスタートし、候補が多い場合には3語など調整を行っていただくとよいかと思います。

※1語に設定をすると全単語を検索してしまうため、2語以上をお勧め致します。

upLIFT.7

これでフラグメント一致が使用可能な準備が整います。

【あいまい一致の修正の設定】

「プロジェクトの設定」の「一致の修正」であいまい一致の修正(Fuzzy Repair)を使用するかの設定をすることが可能です。

upLIFT.15

デフォルトではオンになっていますので、オン/オフで自動修正を使用するかをご選択ください。

upLIFTを使用することで、より多くのマッチを活用でき修正の手間も軽減することができます。翻訳効率をよりアップできますので、ぜひご活用ください。

2015以前の古いバージョンをお持ちの方は、最新版をご検討ください。


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