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プロジェクト パッケージによる翻訳作業とその注意点

みなさま、こんにちは。SDLジャパンの土田です。こちらのブログで、SDL Trados Studioなど弊社製品に関する実用的な情報をみなさまにお届けしたいと思います。

今回は、SDL Trados Studio(以下Trados)での「プロジェクト パッケージを使用した翻訳作業と、その注意点」についてお話します。

Tradosには「プロジェクト パッケージの作成」という機能があります。翻訳作業を別の翻訳者に依頼する場合に、翻訳作業に必要なファイル(翻訳対象のバイリンガルファイル、プロジェクト用翻訳メモリ、用語ベースなど)をひとつのパッケージ ファイルに圧縮します。

生成されたプロジェクト パッケージは、電子メールやファイル転送サービスなどを通して、翻訳を依頼するプロジェクト マネージャーと実際の翻訳担当者との間でやりとりされます。このように翻訳依頼者と担当者との間でプロジェクトの共同作業が可能となります。

またプロジェクトに特有の設定が施されている場合、そちらの設定内容も含めて送付することができます。

Tradosのプロジェクト パッケージは.sdlppxという拡張子のファイルとなります。この中に、プロジェクトに必要なファイル数点が圧縮して収められています。

パッケージ ファイルを受信した翻訳担当者は、まずローカルのコンピューター上に翻訳パッケージを展開します。Tradosの[ようこそ]ビューより、[プロジェクト パッケージを開く]を選択します。

読み込むプロジェクト パッケージファイルを選択すると、以下の画面でプロジェクト パッケージの展開場所を指定するよう求められます。

[プロジェクト フォルダ]の[参照]ボタンよりパッケージの展開場所を指定します。これは任意の場所でかまわないのですが、後からどこに展開したか覚えておけるよう、分かりやすい階層のフォルダを指定してください。

ここで最初の注意点ですが、「あまり深い階層のフォルダにパッケージを展開しない」ことが必要となる場合があります。

プロジェクトファイルが探しづらくなるという理由ももちろんなのですが、Windowsではシステムの仕様上、ファイル名を含めたフルパスの長さが259文字以内でなければならないという制限があります。例えば「c:\Users\[ユーザー名]\Documents\[…]\パッケージファイル名.sdlppx」の長さが260文字を超えてしまうと、エラーが出てパッケージが展開できません。

従って、送信されてきたパッケージのファイル名が長い場合、展開場所のフォルダ階層はあまり深くせず、フルパスの長さを抑えなくてはならないことがあります。こちらはWindows上の制限とご理解ください。

参考文献:https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/system.io.path.getfullpath(v=vs.110).aspx

インポートが問題なく完了し、パッケージ プロジェクトが展開されると、プロジェクト リストの一覧に表示されます。[種類]が「Studio パッケージ」となっています。

2番目の注意点として、「Trados上でインポートされた後でも、パッケージを展開したフォルダは削除しない」ことを心がけてください。

Tradosは常に、指定のフォルダに保存されたバイリンガルファイルや翻訳メモリを参照しつつ動作しています。参照先のフォルダが削除されてしまうと、正常にプロジェクトでの作業が続行できなくなりますのでご注意ください。

この後は通常の翻訳作業と同様に、プロジェクトの中の対象ファイルをダブルクリックし、[エディタ]ビューで翻訳作業を進めます。ひと通りの翻訳作業が完了後、[レビュー]タブの[品質保証]より、[検証]を実行することをお勧めします。ここで訳抜けの有無、訳や用語の不統一、タグの不整合などをチェックします。

最後に、「パッケージによる翻訳作業では、最後に訳文生成を行う必要は無い」ことにご注意ください。

プロジェクト パッケージによる翻訳作業においては、翻訳作業者のゴールは「訳文ファイルを生成すること」ではなく、「返却パッケージを作成し、翻訳依頼者に返送すること」です。[プロジェクト]ビューより作業中のプロジェクトを右クリックし、[返却パッケージの作成]を実行します。

返却パッケージの拡張子は、.sdlrpxです。こちらを電子メールあるいはファイル転送サービスなどを経由して、翻訳依頼者に返送します。

以上、プロジェクト パッケージによる翻訳作業の流れと、その注意点についてご紹介しました。