
Trados質問会 レポート 6
こんにちは。SDLジャパンの土田です。こちらのブログで、Trados Studioを中心としたSDL製品の技術的な情報をお届けしています。
2019年4月より「Trados質問会」と題したユーザーミーティングを定期的に開催させていただいています。
以前よりSDLロードショーなどでお客様と直接お会いし、お声を聞かせていただく機会を持たせていただいておりましたが、ロードショーの枠の中では時間と会場の制限が厳しく、「Trados質問会」として専用の機会を設定いたしました。
今回も、2019年11月28日に開催の質問会より、トピックからいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。
Q: ASCIIコード文字だけを含むtxt形式の原文ファイルを翻訳して訳文ファイルを生成する時に、UTF-8に変換したいです。訳文生成時に文字のエンコード方式を指定できますか?
[エディタ]ビューの[詳細]タブに[作業中の文書の設定]というメニューがあります。
こちらから、訳文ファイルのエンコードを明示的に指定できます。
既定では原文ファイルのエンコード方式に準じて訳文ファイルも生成されますが、上の例ではUTF-8を指定しています。
Q: タグの内容を検索対象と出来ますか?
SDL AppStoreにて提供されているCommunity Advanced Display Filterをお使いください。
https://appstore.sdl.com/jp/language/app/community-advanced-display-filter/849/
[Content]タブの中に[Search in tag content]というチェック項目があります。こちらを有効にし、[Source]フィールドにタグに含まれるテキストを入力することで、対象のタグが含まれている分節のみを抽出できます。
上の例は原文に「picture」タグが含まれている分節だけを抽出する設定です。
Community Advanced Display Filterについては、下記2点の記事もご参照ください。非常に高機能で役に立つプラグインです。
Community Advanced Display Filter -さらに高度な表示フィルタ (1)
https://www.sdltrados.com/jp/blog/plugin_cadf_1.html
Community Advanced Display Filter -さらに高度な表示フィルタ (2)
https://www.sdltrados.com/jp/blog/plugin_cadf_2.html
Q: [分節の結合]を解除する、あるいはやり直すことは可能ですか?
Q: 翻訳不要としてロックされた分節が[ファイル]ビューの[進行状況]で未翻訳として認識されているため、翻訳が必要な箇所をすべて翻訳しても進行状況が100%になりません。ロック済みの分節を計算から除外することは出来ますか?
そのままではロック済みの分節を除外することは出来ません。まず[高度な表示フィルタ]でロックされた分節のみを抽出します。
抽出後の分節を全選択し、ロックをいったん解除します。その後[分節のステータスの変更]より[翻訳済み]に変更します。
バイリンガルファイルを上書き保存しますと、ここで操作した分節はすべて進捗状況の中に含まれます。
Q: 未翻訳の単語数を進捗画面で確認できますか?
[ファイル]ビューにて、[ファイルの詳細のレイアウト]から、[ステータス情報のレイアウト]に切り替えることで確認可能です。
欧米言語が原文の場合は単語数が、日本語や中国が原文の場合は文字数が表示されます。
Q: 翻訳メモリ(TM)に100%一致やコンテキスト一致が見つかった場合、その他のあいまい一致の候補は表示されませんが、表示させることは可能ですか?
既定ではTMからの100%一致あるいはコンテキスト一致(CM)が見つかった場合、その他のあいまい一致の候補は表示されません。
しかし、類似の翻訳単位が誤って登録されているおそれがある場合、同時にあいまい一致の候補を表示し、それを削除あるいは編集することで、TMの内容をメンテナンスすることができます。
[プロジェクトの設定]>[言語ペア]>[すべての言語ペア]>[翻訳メモリと自動翻訳]>[検索]より、[TMとの一致が見つかった場合でも機械翻訳で分節を検索する]を有効にします。
こちらの設定で、100%一致が見つかった場合でもあいまい一致の候補を表示させることができます。
Q: 翻訳メモリ(TM)と機械翻訳を併用しています。TMからの一致が見つかった場合でも機械翻訳から取得した翻訳を表示させることはできますか?
既定ではTMからの一致(あいまい一致を含む)が見つかった場合、機械翻訳での検索を行われません。TMと機械翻訳を併用している場合、TMからの一致が見つからなかった場合にのみ機械翻訳での検索がなされます。
こちらの変更も同様に、[プロジェクトの設定]>[言語ペア]>[すべての言語ペア]>[翻訳メモリと自動翻訳]>[検索]より行います。[TMとの一致が見つかった場合でも機械翻訳で分節を検索する]を有効にします。
こちらの設定により、TMからの一致が見つかった場合でも機械翻訳からの結果を取得することが可能です。
Q: 訳文が英語の時に、入力した矢印や丸数字が訳文ファイル上で文字化けします。回避方法はありますか?
訳文フィールド上で記号を入力する場合、エディタ画面の[詳細]より[記号の挿入]をクリックします。
例えば矢印を入力したい場合は[Arrows]を、丸数字の場合は[Enclosed Alphanumerics]を選択します。
Q: 分節の属性とテキスト内容を組み合わせて検索することは出来ますか?
こちらも、Community Advanced Display Filterを使用することで実現できます。
以下の設定は、訳文に「フォトプリンタ」という語句を含み、なおかつ分節ステータスが「翻訳済み」となっている分節のみを抽出します。
Trados質問会は今後も定期的に開催予定です。個人翻訳者のお客様あるいは企業のお客様を問わず、過去にロードショーにご参加いただきましたお客様を中心に、ご案内のメールを送信させていただいております。