
Trados Studio 2019 新しいプロジェクト作成ウィザード
SDL Trados Studio 2019の新機能 | SDL Trados Blog
https://www.sdltrados.com/jp/blog/whats-new-trados-studio-2019.html
この新機能の中でも今回は、より使いやすく進化した「プロジェクト作成ウィザード」に焦点を当ててみたいと思います。
最短1画面でプロジェクトの作成を完了
2) プロジェクトの保存場所(パス)
3) 原文言語と訳文言語
4) 翻訳対象の原文ファイル
新しいプロジェクトウィザードでは、上記の要素が最初の1画面に集約されました。

これが最初の画面です。ここから必須の項目を設定します。
プロジェクト名とパスを設定し、原文言語と訳文言語を確認します。新しい言語ペアを設定したい場合もすぐに変更が可能です。

[完了]のボタンがアクティブになり、こちらをクリックすることでプロジェクトの準備のための一括処理が走ります。この一括処理自体は従来のものと同様で、Tradosユーザーの皆様には見慣れたものかと思います。プロジェクト作成の処理が従来と同様ですので、Studio 2017とのプロジェクトファイルの互換性も問題がありません。

任意のステップにダイレクトアクセス
プロジェクトの作成には、先に挙げた必須の設定項目の他にもたくさんのオプションが存在します。翻訳メモリの選択、機械翻訳との連携、用語ベースの選択、GroupShareへのプロジェクト公開など、さまざまです。
これまでのステップバイステップのウィザードですと、それぞれの設定ページはウィザードの順番どおりにしか開くことができず、[次へ]ボタンを何度かクリックするという操作が必要でした。
新しいプロジェクト作成ウィザードには、ウィンドウ上部に「Metro Map」というダイアグラムが表示されるようになりました。
このMetro Mapによって、ウィザードの中で設定画面が全部で何ページあるか、そして現在の設定画面はウィザードの中でどの位置なのかということが直観的に分かるようになっていますが、それだけではありません。さらに、Metro Mapの任意のステップをクリックすることで、一気に目的のページにジャンプできます。
たとえば、このように最小限の設定が完了した状態で、用語ベースの設定を変更したくなったとしましょう。
[用語ベース]の設定ページは、Metro Mapで5番目になります。しかし[次へ]のボタンを4回クリックする必要はありません。Metro Map上で[用語ベース]をクリックするだけで、用語ベースのページにジャンプできます。
この機能によって、プロジェクト作成ウィザードの一連のステップが非常に自由なものとなり、またクリックの操作も簡単になりました。
原文ファイルの追加・変更が簡単に
Trados Studio 2019のプロジェクト管理機能に関しまして、もうひとつ、特筆すべき改善点があります。
プロジェクトの作成後に原文ファイルが追加された場合、あるいは原文ファイルが差し替えとなった場合、プロジェクトを簡単にアップデートできるようになりました。
これまでのバージョンでも既存のプロジェクトに新たな翻訳対象のファイルを追加する場合、[ファイルの追加]というメニューから可能でした。しかしファイルを追加した後、[プロジェクト用TMなしで準備]および[訳文言語へコピー]という2つの一括タスクを実行しなくてはなりませんでした。
しかし、Trados Studio 2019では、これらの操作が[ファイルの追加]のメニューからワンアクションで実行でき、大幅に手順を短縮できます。
原文ファイルを追加する場合[ファイルの追加]より[ファイルのクイック追加]を実行します。対象のファイルを選択すると必要な一括タスクが開始され、翻訳作業の準備が完了した状態で新たにファイルが追加されます。
また、原文ファイルの差し替えがあった場合も、[ファイルの更新]によって同様の処理が走り、プロジェクトを簡単にアップデートできます。
今回は、Trados Studio 2019の新機能の中でも、一新されたプロジェクト作成・管理機能についてお話しました。また機会を見て、その他の新機能についてもご紹介したいと思います。