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SDL Trados Studio のネットワークライセンス

みなさま、こんにちは。SDLジャパンの土田です。こちらのブログでSDL Trados Studioをはじめとする弊社製品についての実用的な情報をお届けしています。

今回は、SDL Trados Studioのライセンス形態についてお話したいと思います。

SDL Trados StudioのProfessionalエディションやFreelanceエディションのライセンスは通常、ソフトウェアがインストールされたコンピューターに適用されます。

1ユーザー分のライセンスが、特定のコンピューターにインストールされたSDL Trados Studioに適用されている場合、他のコンピューターにSDL Trados Studioがインストールされていても、ソフトウェアを起動することはできません。このライセンス形態を便宜的に、「シングルユーザー ライセンス」と呼んでいます。

しかしながら、SDL Trados Studio Professionalエディションに限り、シングルユーザー ライセンスとは別に「ネットワーク ライセンス」という形態が用意されています。こちらについて、ご説明します。

 

ネットワークライセンスの概要

シングルユーザー ライセンスは「ライセンスが適用された特定のコンピューターでソフトウェアが起動できる」ライセンス形態ですが、それに対して、ネットワーク ライセンスは「同じネットワークに接続された任意の端末で、決まった合計ユーザー数が同時にソフトウェアを起動できる」という違いがあります。

そのためには、ライセンスサーバーという、「同時に起動可能なユーザー数を管理するソフトウェア」が別で必要になります。接続のイメージとしては下図のようなものになります。

こちらの例では、同じネットワーク内にTrados Studioのライセンスを管理するライセンスサーバーと、Trados Studioを起動するコンピューターA、B、Cが接続されています。ライセンスサーバー上で利用可能となっているユーザー数が2である場合、SDL Trados Studioを同時に起動できるコンピューターは、A~Cのうちいずれか2台となります。利用可能なユーザー数が1であれば、A~Cのうち1台だけがSDL Trados Studioを起動できます。

ライセンス サーバーとクライアント コンピューターの関係は、下図のようなものになります。

このようにSDL Trados Studioが起動されると同時に、クライアント コンピューター側からライセンス サーバーに対して、1ユーザー分のライセンスを払いだすようリクエストが送信されます。

ライセンス サーバー内で保持されているユーザー数に空きがある場合、ライセンス サーバーからクライアント コンピューターに対して1ユーザー分のライセンスが払いだされ,SDL Trados Studioに読み込まれ、ソフトウェアが起動します。

[ライセンス サーバー]の箇所には、ライセンス サーバーとなっているマシンのコンピューター名あるいは完全修飾アドレスが表示されます。

もしもすでに規定のユーザー数がSDL Trados Studioを起動しており、ライセンス シート数に余裕が無い場合、「利用可能なライセンス数が不足している」という旨の警告メッセージが表示され、ソフトウェアは起動できません。

 

SDL License Server Managerについて

ライセンス サーバー上でネットワーク ライセンスを管理するソフトウェアが、SDL License Server Managerです。ネットワーク ライセンスの利用を開始するに当たり、こちらでネットワーク ライセンスをアクティブ化する必要があります。

SDL License Server Managerを起動すると、下記のような画面が表示されます。こちらの[Activation Code]のフィールドに、ネットワーク ライセンス用のアクティベーション コードを入力します。[Quantity to Activate]の箇所では、購入されているユーザー数を入力します。

こちらの例では、Trados Studio 2017 Professionalのライセンスが2ユーザー分アクティブ化され、使用可能となっています。

 

ライセンス サーバーの動作要件

SDL License Server Managerは非常に小規模なソフトウェアです。サポートしているOSに関しても、Windows Server OSだけではなくWindows 7やWindows 10といったワークステーションOSでも問題ありません。

そのため通常ファイルサーバーとして使用しているWindowsマシン上にSDL License Server Managerをインストールし、ライセンス サーバーとして兼用させることができます。ライセンス サーバーのために別でハードウェアを用意する必要はまったくありません。

また、SDL Trados Studioのインストールされたクライアント コンピューター上にSDL License Server Managerをインストールし、ライセンス サーバーとして兼用させるという使い方も可能です。

その場合、License Server Managerがインストールされたコンピューターは、常時起動しているもので他のコンピューターからもアクセス可能である必要があります。

ライセンス サーバーとクライアント コンピューターは原則として同一のLANに接続されていることが前提となりますが、VPNによる遠隔地との接続もサポートしています。

最後に価格についてご案内します。SDL Trados Studio 2019 Professionalエディションは通常のシングルユーザー ライセンスの場合、定価320,000円となります。それに対してネットワーク ライセンスの場合は、1ユーザーあたり定価450,000円となります。