Personalize your translation software

翻訳ソフトウェアのパーソナライズは思ったよりも簡単

SDL Tradosテクノロジーを御社の状況に合わせてカスタマイズする方法をご紹介します

SDL AppStoreからダウンロードされたアプリは、2020年だけでも11万件以上に上り、驚くことに前年と比べて28%も増加しています。SDL AppStoreは、規模と人気が月ベースで拡大しています。独自の要件に合わせて翻訳テクノロジーをパーソナライズすることで得られるメリットに気付くお客様が増えているためです。結局のところ、まったく同じ翻訳業務は2つとありません。ソフトウェアも、そうあるべきではないでしょうか?

SDL AppStoreとは具体的に何?

SDL AppStoreをよく知らないという方もいらっしゃると思います。具体的にご説明しましょう。

SDL AppStoreは、アプリを紹介・共有するためのSDL独自のプラットフォームです。SDLのお客様はほとんどのアプリを無料でダウンロードしてインストールできます。このような形でお客様自身による翻訳テクノロジーのカスタマイズを可能にしているテクノロジープロバイダは、他にありません。SDLは、誇りを持ってこのサービスを提供しています。ユーザーは、SDL AppStoreのアプリを使用してSDLのソフトウェア(SDL Trados StudioSDL MultiTermSDL Trados GroupShareSDL Passoloなど)の機能を拡張することで、翻訳プロセスを改善したり、既存のシステムとSDLソフトウェアを連係させて業務の効率と効果を高めたりすることができます。

アプリにより、さまざまなファイル形式への対応、生産性の評価、機械翻訳エンジンの利用と管理、無料の翻訳メモリや用語ベースへの接続などが可能になります。 

一例として、SDL AppStoreで最も人気のあるアプリ「Glossary Converter」をご紹介しましょう。Gerhard Kordmann氏が開発したもので、何か月もの間SDLのダウンロードチャートのトップに君臨しています。このアプリは、独自の用語集をすでに持っているユーザーにお勧めです。簡単なドラッグ&ドロップ操作でMultiTerm用語ベースと他の形式の用語集との変換を実行でき、時間や労力の節約になります。

SDL Community Developersの新アプリ「studioViews」は、リリースされたばかりですが、ヒット間違いないでしょう。このアプリを使用すると、ファイルをすばやく簡単に分割/結合できます。ファイルを[ファイル]ビューで直接分割し、[エディタ]ビューでフィルター処理した部分をエクスポートし、翻訳者に送信します。その後、戻ってきた翻訳済みファイルをプロジェクトに再度インポートすると、プロジェクト内のファイルが適切に更新されます。 

この2つは、ほんの一部にすぎません。現在、SDL AppStoreには計340を超えるアプリがあり、その80%以上が無料です。これらのアプリはSDL独自のコミュニティの開発者またはサードパーティの開発者が開発し、どれもSDLのAPIを使用しています(APIについては後ほど説明します)。さらに、SDL Trados Studio 2021では、新たにSDL AppStoreが統合されたため、SDL Trados Studioのインターフェイスにあるボタンをクリックするだけで、互換性のあるあらゆるアプリをダウンロードできます。SDL Trados Studio環境のパーソナライズがこれまでになく簡単になったのです! 

SDL Appstore integration

独自の非公開AppStoreも作成可能

アプリの選択肢が非常に多いため、従業員がダウンロードして使用するアプリを企業が管理したいと考えるのは当然です。また、厳格なITセキュリティ対策でユーザーのコンピュータへのダウンロードを禁止している企業が多いことも、SDLは把握しています。この場合、一般向けのSDL AppStoreを使用することすらできません。 

このようなお客様をサポートするために、SDL Trados Studio 2021では企業が独自の非公開AppStoreを作成できるようにしました。この非公開AppStoreは、企業のファイアウォール内にある企業所有のサーバーでホストすることが可能で、非公開で従業員にアプリを配布するために使用できます。非公開AppStoreを完全に管理すれば、アクセス可能なユーザーを指定したり、承認したアプリだけをAppStoreに追加して使用可能にしたりできます。つまり、ユーザーであれば、非公開AppStoreから制限なくダウンロードできるようになるのです。さらに、このAppStoreは特定のユーザーしか使用できないため、一般向けSDL AppStoreのアプリの中から承認したアプリのほか、自社で開発したアプリを配布するプラットフォームとしても使用できます。
SDL Private appstore
自社用の非公開AppStoreは、以下の手順で作成できます。思いのほか簡単です!

1.SDL AppStoreから「PA Admin」アプリをダウンロードし、AppStore Integration Serviceのインストール、設定、導入に必要なファイルを取得します。フォルダを解凍し、AppStoreサービスのホストに使用するサーバーにファイルを保存します。

2.自社の環境とネットワークパスを反映するようにこれらのファイルを調整します。詳しくは、SDLの非公開AppStore Githubページでご確認ください。 

3.ダウンロードしたAppStoreIntegrationService.exeファイルを実行します。非公開AppStoreが起動し、すぐに利用できるようになります。

4.非公開AppStoreで提供するアプリを設定します。ブラウザに「{自社サーバーのURL}/configtool」と入力してPA Adminツールにアクセスし、こちらの手順に従います。

5.非公開AppStoreを設定したら、後はSDL Trados Studio 2021と連係させるだけです。SDL Trados StudioでAppStoreを開き、[設定]の画面下部にある[非公開AppStore]チェックボックスをオンにし、サーバーのURLを入力します。
SDL Appstore integration settings

問題の解決策が見つからない場合

SDL AppStoreでは、多数のアプリが公開されているため、目当てのものが見つかる可能性は高いでしょう。それでも、問題の解決に至らないことがあります。そのときに役立のが、SDLのAPIです。

APIとは?

APIは、基本的にソフトウェアプログラムへの窓口の役割を果たします。全コードを開発者が共有しなくても、APIによって他のプログラムと簡単にやり取りできるようになります。 

多くの企業では、業務の効率化に役立つさまざまなシステムが使用されています。こうしたシステムは、それぞれ単体では問題なく動作しても、スタンドアロンシステムだった場合は他のシステムと通信やデータ共有ができずに「情報の孤島」になってしまうことが多々あります。APIを使用すると、システムのシームレスな統合、プロセスの合理化、業務運営の変革に役立つ新しいツールや機能、コネクタを開発できます。

翻訳業務におけるAPIのメリット

これを翻訳業務に取り入れると、すべてのシステムを連係させ、業務全体の効率を大幅に向上できます。手作業が減り、翻訳者、プロジェクトマネージャー、レビュアーの作業時間が短縮されます。ローカリゼーションコストが削減され、市場での競争力を強化し、長期にわたって持続するビジネスを実現できます。加えて、作業の簡素化と効率化により、従業員の仕事に対する満足度も向上します。さらに、APIにより、追加機能を使用して(前述のSDL AppStoreで提供されているアプリを使用する場合と同じように)ソフトウェアをカスタマイズできます。独自の要件に合わせてパーソナライズしたツールを使用すれば、これまで以上に生産性が向上します。

メリットをイメージしづらい方のために、SDLのAPIを使用してSDL Trados StudioやSDL Trados GroupShare向けに開発を行ったお客様の実例をいくつかご紹介します。

Supertext Ltdは、チューリッヒ、ベルリン、LAを拠点に、2,000人以上の個人翻訳者を擁し、コピーライティングと翻訳を手掛ける会社です。独自に構築したTMS(翻訳管理システム)を使用しています。また、SDL Trados GroupShareを活用してSDL Trados Studioのプロジェクトの作成と配布を強化および自動化しています。しかし、SupertextのTMSも、SDL Trados GroupShareも、それぞれにユーザー資格情報を入力しないとログインできない状態でした。つまり、ユーザーは2組のアカウントとパスワードを記憶する必要があったのです。すべてのユーザーの負担を軽減するために、SupertextはSDL Trados GroupShareのプラグインとして独自のカスタム認証プロバイダを開発しました。このプラグインにより、SDL Studio GroupShareにログインすると、Supertextのシステムに対しても認証されるようになり、業務用システムが簡素化されました。

dSPACE GmbHは、シミュレーションと検証の分野におけるテクノロジーリーダーであり、世界中のお客様をサポートしています。同社は、翻訳プロジェクトの作成に時間がかかること、そして情報を手入力する必要がよくあることに気付きました。また、SDL Trados Studioのプロジェクト名が自社の命名規則に従っていない場合やサブフォルダの構造に一貫性がない場合も多いとわかりました。この問題を解決するために、dSPACEはProjectCreatorというプラグインを開発しました。このプラグインは、翻訳サービスのリクエストフォームに入力された情報から直接、翻訳プロジェクトを自動作成します。これにより、翻訳プロジェクトの作成時間が短縮され、プロジェクトフォルダは常に命名規則に従った名前で、同じ構造で作成されるようになりました。

開発意欲のある方へ

誰でも、SDL Trados Studio、SDL MultiTerm、SDL Trados GroupShare、SDL Passolo、SDL Language Cloud向けのSDLのAPIにアクセスし、業務用の独自のプラグインを開発することができます。開発する場合は、御社の開発者に次の推奨手順をお知らせください。

1.開発を始めるにあり、ダウンロードしなければならないものはありません。SDL Trados Studio/SDL MultiTerm/SDL Trados GroupShare/SDL Passoloをインストールすると、APIも利用可能になります。  SDL Language Cloudはクラウド製品であるため、いつでもオンラインでAPIを利用できます。

2.SDL Developer Communityにぜひご参加ください。アイデアを得る格好の場です。自分のアイデアについて仲間やSDLの従業員と話し合ったり、サポートを求めたりできます。

3.サンプルコードを利用します。

  • Githubで入手できるサンプルコードを利用します。取り組んでいる機能のアイデアを得たり、参考資料として使用したりできます。 
  • 必要に応じて、SDL Trados StudioのMicrosoft Visual Studio用プロジェクトテンプレートをダウンロードすることもできます。これは、SDL Trados Studioのカスタマイズやプラグインの開発をすぐに開始できるように設計されています。
  • SDL Community Developersによって開発され、SDL AppStoreで提供されている既存のプラグインを、独自のアプリの基盤として使用することもできます。こちらからダウンロード可能です。

4.利用可能な各APIについて詳しくは、開発者ハブのSDKページをご覧ください。各APIには、連係に必要なコードの記述方法や各APIの使用方法を説明するドキュメントが用意されています。 

お気付きのように、このようなソリューションに取り組める開発者の存在が非常に重要になってくるのですが、それを望めない企業もあります。該当する開発者が社内に存在せず、SDL AppStoreの既存アプリでは問題を解決できない場合でも、諦めないでください!SDLの開発者は、取り組むべき新しいアイデアを常に求めています。SDL Ideas Communityに御社の要件を投稿してください。興味深いアイデアの場合は、私たちがお力になれるかもしれません。

ふるってご参加ください。

これで、SDL AppStoreについてと、承認済みのアプリを社内に配布するための非公開AppStoreの設定方法について、ご理解いただけると思います。御社の問題を解決するアプリが見つからない場合は、SDLのAPIを使用した独自のアプリ開発にぜひ挑戦してみてください。 

SDL AppStoreと独自のアプリ開発に関してアドバイスやヒントが必要な場合やご質問がある場合は、SDLにお問い合わせいただくか、SDL Communityにアクセスして意見を募ってください。