
翻訳チームの俊敏な連携を可能にするSDL Trados GroupShare 2017 SR1
翻訳プロジェクトでますます高まるプレッシャー
SDLが最近実施した翻訳業界に関するによると、翻訳の需要はますます拡大し、スケジュールは短期化しています。そんな中、翻訳会社は高品質な翻訳を迅速に納品する必要に迫られています。プロジェクトマネージャーには、翻訳者やレビュアーと連携して短納期に対応する方法を見つけるという重責が課されています。私自身が翻訳会社で働いていた時代のことを思い出さずにはいられません。翻訳チームは需要増による負担を軽減するために、適切なワークフローと柔軟な作業方法を導入する必要があります。調査
SDL Trados GroupShare 2017 SR1の新機能は、このようなニーズを念頭に置いて設計されています。プロジェクトマネージャーの作業時間を短縮するために、プロジェクト作成、リソースメンテナンス、解析レポートをすべて改良していますが、特に重視したのは、メンバー全員がチームとして連携して短納期に対応できるようにすることです。
新しい作業方法:Online Editorによる柔軟な作業
この業界ではいまだに、各自のデスクトップ上でファイルベースのリソースを使用して作業を進める方法が主流ですが、リソースの共有とプロジェクトでの共同作業が鍵を握る場合、このような方法では不十分です。情報を簡単に共有、更新できるGroupShareのようなプラットフォーム上で翻訳チームが連携できれば、大きなメリットを得ることができます。
また、GroupShare 2017 SR1には、新たに重要なコンポーネントとしてブラウザベースのSDL Online Editorが組み込まれているため、メンバー全員がさらに柔軟に連携して翻訳プロジェクトを進めることができます。
翻訳支援ツールを利用できない翻訳者もOnline Editor上で作業できるため、潜在的な人材のプールが大きくなり、プロジェクトに対応できる適切な翻訳者とレビュアーを探すストレスが軽減されます。さらに、必要に応じて、専門知識を持つエキスパートにプロジェクトに参加してもらうことも簡単です。
俊敏さが求められるプロジェクトでは、直感的かつ効率的に操作できるように設計されたOnline EditorがSDL Trados Studioを絶妙にサポートします。これを可能にするのが、新たに搭載された同時編集機能です。つまり、複数の翻訳者やレビュアーが同じファイルでセグメントをロックしながら並列して作業を進めることができます。つまり、1人の翻訳者がSDL Trados Studioからファイル全体をチェックアウトして作業する場合に比べ、1つのファイルを分割して翻訳やレビューを進める方が速く、簡単なのです。
例えば、長大なドキュメントの翻訳を開始して、翻訳を進めながら同時にレビューも開始するという、まったく新しい画期的な作業方法が実現します。また、Online Editorは大規模ドキュメントを確実に処理できるように最適化されているため、もうドキュメントを分割して配布する必要はありません。
そのうえ、1つのファイルで共同作業しているすべてのユーザーがコメント機能を使用してリアルタイムで簡単にやり取りできるため、Eメールやプロジェクトマネージャー経由の時間のかかるコミュニケーションを短縮できます。こうしたやり取りの仲介は、プロジェクトマネージャーとしての業務の中でとりわけ手間のかかる部分だと思っていましたし、他のプロジェクトマネージャーの皆さんも同じ思いをされていることでしょう。メンバーが自主的にやり取りできるようにすることは、間違いなくメリットがあります。コメントも変更履歴も保存され、SDL Trados StudioやMS Wordでファイルを開くと表示されます。
もちろん、多くのプロジェクトでは依然としてSDL Trados Studioのフル機能が必要でしょうが、Online Editorにはさまざまなタイプのプロジェクトでの作業にますます必要とされる柔軟性があります。このため、納期を短縮したり、緊急性の高い翻訳リクエストを受けたときに新しい方法で作業を進めることができます。
GroupShareベースのTMでも、upLIFTテクノロジーによって翻訳者の生産性が向上
upLIFTは、SDL Trados Studio 2017でファイルベースの翻訳メモリ(TM)に導入されて以来、以下の2つの機能によってTMの活用率を向上し、翻訳者の生産性と翻訳品質を高めてきました。
- Fragment Recall:分節内の単語や語句をよりきめ細かく整合処理し、TMからこれまでより多くの一致訳を提示します。
- Fuzzy Repair:TMに含まれる分節の断片を使って、あいまい一致を自動修正し、ポストエディットの負担を軽減させます。
そして今回、upLIFTのFragment RecallとFuzzy Repairが、サーバーベースのTMでも利用できるようになりました。つまり、GroupShareプロジェクトに参加する翻訳者も、これらの機能を活用できるようになります。
upLIFTはGroupShareプロジェクトに簡単に導入できます。高精度の整合を実現するために、業務時間外にTMがバックグラウンドで自動的にアップグレードされ、手作業の必要はありません。すぐに翻訳者がこの機能を活用できるようになります。
翻訳者の生産性が向上するため、翻訳がより迅速に終了し、返却されるようになります。また、翻訳メモリから提示される翻訳の品質が向上するため、ポストエディット、レビュー、修正に要する時間を短縮できます。緊急のプロジェクトでは、納期に間に合わせるために誰もが急ぎ、品質については抜け落ちてしまいがちです。upLIFTを使用すれば、細部に費やす時間が増え、エラーを見逃す可能性が低下し、翻訳の最終品質を維持することができます。
「プレッシャーの下、高品質な翻訳を生み出す」という翻訳プロジェクトの課題に立ち戻ることができます。
翻訳プロジェクトの管理、そしてチームワークには、克服すべき複雑で難しい問題がつきものです。それこそがプロジェクトなのです。SDLはGroupShare 2017 SR1によって、仕事をより俊敏かつ臨機応変に進めていくうえで必要となる柔軟性を確保し、さらに促進することで、チームがこうした課題を克服し、翻訳プロジェクトを成功へと導くワークフローを構築するお手伝いをします。
SDL Trados GroupShare 2017の画期的なService Releaseについて、皆さんのフィードバックをお待ちしております。