Q&A

Trados質問会 レポート 3

みなさま、こんにちは。SDLジャパンの土田です。こちらのブログで、Trados Studioを中心としたSDL製品の技術的な情報をお届けしています。

2019年6月27日に「Trados質問会」の第3回を開催いたしました。今回もTradosのお困りごと、疑問点、機能改善のご要望など、貴重なお話を頂きました。

開催内容のご報告を兼ね、質問会の中で挙がりましたトピックからいくつかご紹介したいと思います。ご参加いただきました皆様に、改めてお礼を申し上げます。


Q: ファイル間の繰り返しは、エディタ画面上でフィルタリングできますか?

複数の原文ファイルが含まれているプロジェクトの場合、ファイルにわたって同一の原文のセンテンスが存在することがあります。これはファイルの解析レポート上で「ファイル間の繰り返し」としてカウントされます。

プロジェクトの中の複数の原文ファイルを同時にエディタで開くことが可能です。この中の繰り返しセンテンスは、[高度な表示フィルタ]機能にてフィルタリングすることが可能です。

フィルタの中に[繰り返し]というグループがあります。ここから[すべて]を選ぶと、重複する分節がすべて抜き出されます。また[初出]を選びますと、重複している分節の最初の1回のみが表示されます。

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この「複数の翻訳対象ファイルを同じエディタ画面で開く」機能(Quick Mergeと呼ばれています)については、記事を改めてご紹介したいと思います。


Q: プロジェクト用TMとは何ですか?

これから翻訳対象となる原文ファイルと、指定されたメインの翻訳メモリ(TM)の内容を対照し、原文に関連する(つまり、ある程度の一致が含まれている)翻訳単位のみを抜き出して新たに作成した、翻訳作業用のTMです。翻訳作業時に発生するTMの更新は、プロジェクトTMに対して行われます。メインのTMが翻訳作業によって変更されることはありません。

以下の2点のメリットがあります。

1. メインの翻訳メモリよりも容量が小さいため、メール添付などによるやり取りが容易になる
2. 翻訳作業時によってメインの翻訳メモリが直接上書きされることを防止できる

プロジェクト用TMに関しましては、下記のブログでより詳しく説明されています。

プロジェクト用翻訳メモリについて

https://www.sdltrados.com/jp/blog/translation-memory-project.html


Q: 特定の日付以降に登録された翻訳単位のみをエクスポートできますか?

TMのエクスポート時にフィルタを設定し、特定条件のTUのみをエクスポートすることが可能です。エクスポート時に[フィルタ]より[編集]をクリックします。

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[作成日]のフィールドを指定し、[演算子]は[が次の値以上]を選択します。ここでは「作成日が2019年1月1日以降」を指定しています。

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Q: TMXをTMにインポートする際、重複するTUはどのように処理されますか?

原文が重複しているTUの扱いに関しては、TMXのインポート時に[全般インポート オプション]で設定できます。既定では、新旧両方のTUを維持する[新しい翻訳単位を追加する]が選択されています。

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Q: 置換を行うときに、特定の文字列を削除できますか?

エディタ画面の[検索と置換]より、[置換後の文字列]に何も入力せずに置換を実行することで可能です。こちらの例では、訳文内の「。」(句点)のみを削除します。

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Q: 全角スペースのみを検索する正規表現はありますか?

一般に正規表現で空白文字を指定する場合、「\s」が使用されます。しかしこちらでは半角スペースと全角スペースの両方が対象になってしまいます。全角スペースのみを検索の対象とすることはできないだろうかというご相談です。

たとえば[高度な検索フィルタ]で「\u3000」と入力してみてください。こちらで原文あるいは訳文に全角スペースを含んでいる分節のみが抜き出されて表示されます。

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この正規表現は、QA Checker 3.0の[正規表現]の項目でも使用可能です。下の例では、訳文をチェックし全角スペースを含む分節が見つかったときにメッセージを表示するよう設定されています。

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Trados Studioの正規表現は、.NETのそれに準拠しています。.NET正規表現での「\u」は、Unicodeの文字コードを直接指定することを意味しており、全角スペースはU+3000が対応しています。こちらを.NET正規表現で言い直すと「\u3000」になります。

.NETで使用可能な正規表現については、下記のMicrosoft社による技術記事をご覧ください。

正規表現言語 - クイック リファレンス
https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/standard/base-types/regular-expression-language-quick-reference

Trados質問会は今後も定期的に開催予定です。個人翻訳者のお客様あるいは企業のお客様を問わず、過去にロードショーにご参加いただきましたお客様を中心に、ご案内のメールを送信させていただいております。