
ハウツーガイド
Trados質問会 レポート2
みなさま、こんにちは。SDLジャパンの土田です。
こちらのブログで、Trados Studioを中心としたSDL製品の技術的な情報をお届けしています。
2019年5月25日に「Trados質問会」の第2回を開催いたしました。
今回もTradosをご使用になる上でのお困りごと、疑問点、機能改善のご要望など、貴重なお話を頂きました。
今回も引き続き、質問会の中で挙がりましたトピックから数点ピックアップし、ご紹介したいと思います。
改めまして、質問会へのご参加ならびに掲載のお許しをいただきましたお客様に厚くお礼申し上げます。
Q: プロジェクト新規作成時に表示される言語ペアを変更することはできますか?
[ファイル]>[オプション]より、[エディタ]>[言語]を開きます。
ここで既定の言語ペアを変更できます。

もしも変更後に反映されない場合、いったんTradosを終了し、下記のフォルダにあるDefault.sdltplを削除してください。
C:\Users\[ユーザー名]\Documents\Studio [2015/2017/2019]\Project Templates
その後Tradosを起動し新規プロジェクトを作成すると、設定したとおりの言語ペアが表示されます。
Q: いったん翻訳を入力した後、Delキーで訳文を削除しました。最初に適用されたTM一致が今度は適用されません。なぜですか?
訳文の削除を行うときは、Alt+Delキーから行ってください。
分節ステータスも「未翻訳」に戻るため、TMの一致が再び当たります。
Q: 言語方向が逆のTMを作成したいです。どうしたらよいですか?
例えば英(en-US)→日(ja-JP)のTMがあるとします。
このTMをTMXファイルにエクスポートします。

次に日(ja-JP)→英(en-US)のTMを新規作成し、上記で生成したTMXファイルをインポートします。
TMXファイルの言語ペアには、どちらが原文言語でどちらが訳文言語という指定がありませんので、インポート先のTMの言語方向で決定されます。
インポートおよびエクスポートは、[翻訳メモリ]ビューより目的のTMを右クリックするとコンテキストメニューの中に見つかります。
また、上部の[ホーム]タブの中にもボタンがあります。

また、SDL Translation Memory Management Utilityというアプリして、言語方向の逆転したTMを作成することも可能です(Revert Indexという機能です)。

Q: 数字や単位の自動置換と自動入力を止める方法はありますか?
通常ですと数字や単位などはTM上で固定要素として認識され、自動置換の対象となります。
TMの設定を変更することで任意の要素を固定要素の対象から外すことができます。
翻訳メモリの[設定]を開き[フィールドと設定]より、[次を認識する:]のリストから固定要素として認識させたくないカテゴリのチェックを外します。

例えば[単位]のチェックを無効にすると、「1000kg」と「1000mg」の違いは通常のテキストの際として認識され、自動置換はなされずにあいまい一致の対象となります。
単位の自動置換は、かえって重大な翻訳ミスに繋がりかねない場合があります。
外しておくことも一つの手段かもしれません。
Q: 表に数字のみのセルがたくさんあり、Tradosに読み込むと数字だけの分節が大量に作られてしまいます。
数字のみのセルを抽出させない方法はありますか?
数字のみのセルなどの抽出を止める方法はありませんが、抽出させた後にエディタ上で非表示にすることは可能です。
高度な表示フィルタ]を使用しましょう。
[属性のフィルタ]>[分節の内容]より、[数字のみは除外]を選び、[>]をクリックします。
その後、[フィルタの適用]を選択すると数字のみの分節はフィルタリングされた状態で表示されます。
Q: 何らかの原因で返却パッケージを開く際にエラーが出てしまいました。
すぐに復旧させる方法はありますか?
プロジェクトパッケージファイル、あるいは返却パッケージファイルは、7-ZIPなどの解凍ソフトでアーカイブの中身を展開することができます。
その中に翻訳作業の対象となったバイリンガルファイル(SDLXLIFFファイル)がありますので、こちらを単体で取り出してください。
こちらのバイリンガルファイルをTMにインポートし一括翻訳をかける、あるいはこのバイリンガルファイルをもとに完全一致を実行するなどの方法で、作業内容をもとのプロジェクトに反映することが可能です。
Trados質問会は今後も定期的に開催予定です。
個人翻訳者のお客様あるいは企業のお客様を問わず、過去にロードショーにご参加いただきましたお客様を中心に、ご案内のメールを送信させていただいております。
次回の質問会に関しましてもこのようにご報告を差し上げられればと考えています。
公開日 2019年5月30日
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